コラム

美容室を開業するときにやること11項目【美容師独立開業】

美容室を開業するときにやること11項目

美容師で独立開業を考えているけど何をやればいいのかよくわからない。

開業をしてやっていけるのか不安。

開業支援を行っている税理士が美容室の開業についてまとめてみました。

開業時に考えること、やるべきことについて網羅的にまとめましたので、ボリュームはありますが、このコラムを読んでいただければ開業時にやるべきことの全体像が見えてくると思います。

 

 

このコラムでわかること


・美容室を開業するときに考えるべきこと、やるべきことがわかる。

 

 

美容室を開業するときにやること


・事業計画を考えてみよう

・組織形態について考えてみよう

・開業資金について考えてみよう

・店舗について考えてみよう

・集客について考えてみよう

・許認可が必要か考えてみよう

・損害保険について考えてみよう

・業務の仕組みについて考えてみよう

・税金関係について考えてみよう

・人を雇う場合について考えてみよう

・日々に会計業務について考えてみよう

 

 

 

 ■事業計画を考えてみよう

 

まず、開業前に事業計画を作成しましょう。

事業計画と聞いて難しく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、できるだけ重要な部分を簡単に作れるように紹介していますので肩の力を抜いて読んでみてください。

読みながら作ってみてもいいと思います。

 

なぜ事業計画を作るの?

・開業判断としての計画

開業をしても利益が出なければ、生活ができませんし、事業を続けることもできません。

事業計画を作って利益が出ることがわかり、現実的に実現できそうかが見えれば、開業しても大丈夫かどうか判断できます。

・融資判断としての計画

最初に設備など大きい資金が必要な場合、お金を借りるために銀行を納得させる材料にもなります。

銀行も計画が現実的で、貸したお金を返してもらえる内容であれば融資をしてくれます。

 

【事業計画の作成手順】

儲けを把握する数字の計画を作る前に、数字以外の重要な部分を考えましょう。

 

・店舗名、営業日、営業時間を考える

店舗名を考えるのはわくわくしますよね。

売上を考えるときに必要になりますので、営業日、営業時間についても考えておきましょう。

 

・サービスへのこだわりを考える(事業の方向性と差別化)

開業を考えている方であれば

「こういうこだわりのあるお店にしたい!」

「他にはないこういうお店にしたい!」

「こういう商品、サービスを提供したい!」

などの熱い気持ちがあると思います。そのようなお店に対する熱い気持ちを文章に起こしてみましょう。

箇条書きで、開業したいお店のこだわりや、ほかの同業とは違うようなあなた独自のこだわりなどひたすら書き出してみましょう。

強みとして低価格はおすすめしません。価格勝負は大手チェーン店にかないません。価格以外のあなただけの強みを考えてみましょう。

書き出した内容があなたのお店の経営理念や方向性、差別化につながり、今後の店舗設計やPRなどの事業展開の軸となっていきます。

 

・具体的に提供する商品やサービスを考える

具体的な商品、サービスについても列挙してみましょう。

こだわりを考えたと思いますので、商品やサービスと一緒にその商品やサービス自体へのこだわりも一緒に記載すると方向性がぶれずおすすめです。

商品・サービス/こだわり/単価」といった形で書いてみましょう。

例:カット/ヒアリングをしっかり行い希望を実現/5,000

 

・ターゲット(どういう方をサービスの対象としているか)を考えよう

あなたのこだわりの商品やサービスはどんな方に利用してほしいですか?

どんな方が求めていると思いますか?

どんなにあなた自身がいいと思っている商品サービスを作ったとしても、ほかの方が求めていなければ意味がありません。

その商品をPRされたときに「こういう方は欲しいと感じてくれる」とできるだけその人の気持ちになって考えてみましょう。

できるだけお客様目線になってニーズを考えてみましょう。

100%客観視することは難しいので、可能であればターゲットに該当する知り合いなどがいれば、率直な意見を聞いてみるのもよいと思います。

・性別

・年齢

・対象地域

・こだわりを求める人がどんな人か

・こだわりを求める人がどんなことに困っているか

などを考えて「商品・サービス/こだわり/単価」の次にターゲットを記入してみましょう。

 

・市場規模がどのぐらいなのかざっくり把握しましょう

どんなによい商品でも誰もいないところで販売していたのでは売ることはできません。

サービスを提供する対象の地域に

・ターゲットとしている人がどのぐらいいるのか

・同じ地域にライバルがどれぐらいいるのか

などをざっくり把握して、新規参入してもお客様が来るかどうか想像してみましょう。

調べる方法をご紹介します。

・各市区町村のホームページの統計資料

e-Statを活用する

RESASを活用する

・インターネットで同業を検索する

例えばですが、対象地域のターゲット人口を同業店舗数+1で割ってあげると、参入後の1店舗当たりのお客様の数が把握できます。

もちろん完璧にターゲット人口を出すことや同業店舗も事業規模やターゲットが異なるので、100%正確なものは無理ですが、ざっくりと出店しても必要なお客様が確保できるかどうかの目安を知ることはできます。

 

 

・利益が出るのかどうかの把握

こだわり・ターゲット・市場規模の把握でなんとなく事業のイメージが出てきましたでしょうか?

儲けが出るのかどうか、数字への落とし込みに移っていきたいと思います。

儲けの計算は、 売上―経費=儲け です。

作成を簡単にするために開業して事業が回って安定してきたときの1か月分の儲けの計算をしてみましょう。

ご自身で考えてみることが、今後経営をしていくことを考えても大切です。

開業時の経験は一度しかできません。いろいろと調べてご自身で感覚をつかみましょう。

紙でもエクセルでも構いませんので、ご自身で数字をまとめてみましょう。

売上も経費も消費税抜きで計算してください。消費税抜きの計算で利益が出ていないと赤字と同じような状態です。

 

 

まず、売上について考えてみましょう。

もし開業時点で従業員が確定しているのであれば、従業員も動いているとして考えてみてください。

美容室であれば、稼働できる席の数をベースに考えましょう。

先に後述する「・店舗について考えてみよう」を読まれてから戻ってきてもいいと思います。

 

一日の売上を考えましょう。最大で稼働した場合いくらになりますか?

・お客様の一人当たりの平均売上単価と、一人にかける平均時間、営業時間で1席何人回せますか?

・用意する席と従業員考えて何席分稼働させられますか?

・月平均何日稼働しますか?

1ヶ月の売上高の最大値を把握したら、平日や土日祝日のお客様の入り具合、予約の関係などで最大値で回ることは難しいので、控えめに70%~80%ぐらいにしておきましょう。

事業計画を作る目的の一つに、利益が出るのかを知ることがあります。

現実より緩め(売上多め、経費少な目)の見積もりでは、実際事業を開始した後に思ったより利益が出ず、お金が回らないような状況になりかねません。

ですので、開業時の事業計画は、現実より固め(売上少な目、経費多め)の見積もりを行い、固めの見積もりでも利益が出るのかを把握しておくことが大切です。

固めの感覚で見積をしてみてください。数字に迷ったらざっくり固めで計算してみましょう。

 

お客様1人当たりの平均単価×1日にさばける最大人数×1ヶ月の稼働日数×70%~80%=1ヶ月の売上高

 

一度設定すると変えにくかったりするため価格設定はすごく大事です。

・世間相場はどうか

・強みの部分の価値の上乗せができるかどうか

・ターゲットに売れる金額設定か

・美容室は人件費が大きいウエイトを占めているため、1時間当たりの給料を考え、かかる作業時間に見合った価格設定になっているか

など慎重に考えましょう。一度ざっくり設定して、最終的に利益を計算したときに、ここに戻って考え直してもいいと思います。

 

 

続いて、経費について考えてみましょう。

経費はたくさん項目がありますので少しずつ行きましょう。

もし同業の知り合いの方がいれば、わからない部分どのぐらいかかっているか聞いてみると教えてくれるかもしれません。

相場がわからないものは、インターネットなどで調べてみましょう。

固め(経費多め)で見積りをするということを常に意識して考えてみましょう。

 

人件費

まず人件費について考えてみましょう。

開業時に雇う方がいればその方の給料が月いくらか設定してください。

歩合があれば歩合もある程度加味して計算しましょう。

賞与を支給する予定があれば、賞与を含めた年間の給料合計を12で割った金額をひと月の給料として見積もりましょう。

 

正社員の方の月平均の給料×正社員の方の人数=正社員の方の1ヶ月分の給料

アルバイト、パートの方の月平均の給料×アルバイト・パートの方の人数=アルバイト、パートの方の1ヶ月分の給料

 

業務委託をお考えの場合も、わかりやすいようにとりあえず人件費に含めておきましょう。

 

従業員を雇うと、会社が従業員を社会保険に加入させてあげて、保険料を従業員と会社で協力して負担をするという制度があります。

労働者を守るための雇用保険や労災保険の加入も必要になる場合があります。

法人の場合は社会保険加入必須ですが、今後個人事業も社会保険の加入対象が拡大していく可能性があります。

社会保険に加入すると赤字になるような経営では問題ですので、

社会保険、労働保険、福利厚生を加味して給料総額の17%を上乗せしておきましょう。

 

1ヶ月の給料総額×1.17=1ヶ月分の人件費

 

美容室経営の主な経費

美容室の主要な経費を一覧にしてみました。それぞれの経費について、1ヶ月あたりどのぐらいかかるのか書き出してみましょう。

・仕入高:物品の販売がある場合の仕入金額

・消耗品費10万円以下の事業で使う備品類、カラーやシャンプーで使う液などのサービスを提供するのに必要な消耗品類

・水道光熱費:電気代、水道代、ガス代

・地代家賃:店舗の家賃

 >後述する「・店舗について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

・広告宣伝費:新聞折込、フリーペーパーなどの広告宣伝費

 >後述する「・集客について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

・旅費交通費:訪問する場合は、訪問にかかる交通費

・通信費:電話代、インターネット代、ホームページ維持費など

・支払手数料:税理士にお願いする場合の顧問料など

・新聞図書費:スタッフの教育費や店舗に設置する雑誌など

・保険料:店舗の火災保険料や損害保険料 

 >後述する「・損害保険について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

・支払利息:お金を借りる場合の利息 融資を受ける予定の金額の3%÷12で計算しましょう  

 >後述する「・開業資金について考えてみよう」の部分を読んでいただいて計算した後に戻ってきていただけるとよいと思います。

・雑費:机上だと予測できない経費があるかもしれません。固く計算するために規模に応じてざっくりその他の経費として金額を載せておきましょう。

 

・減価償却費(げんかしょうきゃくひ)

これが少し曲者です。会計用語で難しい言葉ですが、

「高額で長く使えるものを購入したときに、買った瞬間に価値が0にはならないので、使える期間で少しずつ経費にしましょう」

という考え方の経費になります。正しい儲けの計算をする際には重要な考え方になりますので、押さえておきましょう。

 >後述する「・店舗について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

美容室経営では、

・店舗を建てる場合はその建物

・賃貸物件に内装工事を行う場合はその内装工事代

・10万円以上する電動の椅子などの備品代

などが該当します。

これらの購入金額をメモして、

 

建物を建てる場合は、その金額÷22年÷12=1か月分の減価償却費

賃貸物件に内装工事を行う場合は、その金額÷15年÷12=1か月分の減価償却費

10万円以上する電動の椅子などの備品については、その金額÷5年÷12=1か月分の減価償却費

 

を計算しましょう。

計算された金額を合計して1ヶ月分の減価償却費としましょう。

※儲けが出るかざっくり判断する事業計画作成が目的なので、税金計算上の計算方法とは異なる部分があります。

 

・あなたやあなたの家族の給料

ご自身の生活費も忘れてはいけません。生活できるレベルの生活費(月30万円ぐらい)を経費に入れましょう。

もし、ご家族が手伝ってくれる場合、お金を払わないとしても手伝ってくれる部分を給料換算して経費として見積もっておきましょう。

必要な労働の対価を含めたところで赤字であればその事業は事業として成立していません。

 

今後の経営を考えて、毎月売上がなくてもかかってしまう経費(固定費といいます)は、事業に必要かしっかり見極め、できるだけ無駄がないように小さくするように意識しましょう。

 

経費は以上です。

書き出した経費を合計してみましょう。1ヶ月の経費合計が出てきます。

 

売上―経費=儲け 

 

の算式で1ヶ月の利益を計算してみましょう。

どうですか?利益は出てきましたか?

開業の判断としてまず、利益が出るのか、ざっくり固めに計算してみましょう。

作った計画を実現できそうか考えてみましょう。

ここで赤字の場合、売上の計算など、もう一度全体を見直してみましょう。想像力勝負です。

これを行うを具体的にどういう形の店舗なのか、どういうことをして毎月の安定までもっていくのか、いろいろと想像ができて、やるべきことが少し見えてくると思います。

 

今後、この事業計画を軸に今後の行動を進めていくといいと思います。

経営をする上で利益を出すことは、事業を続けるために非常に重要なことです。

そのことを開業された後も常に忘れないようにしてください。

 

>当事務所は、経営計画の作成と運用支援を行っております。

>経営計画を作成し運用するイメージを会話形式でイメージできるページを作っていますので、是非一度ご覧ください。

経営計画の作成と運用支援

 

 

 ■組織形態について考えてみよう

 

大きく分けて、個人事業として事業を行うか、会社を作って法人として事業を行うかの2通りがあります。

それぞれメリットデメリットありますが、美容室の場合、小規模で事業を行う場合は、個人事業として始められるのがよいかと思います。

法人になると、設立費用や社会保険の強制加入など、小さい規模ですと費用面のデメリットが大きいのが理由です。

取引の相手が事業者でなく消費者相手であれば、法人であることによる信用もそれほど関係ありません。

事業規模が大きくなってきたときに、税理士と相談しながら、法人化を検討してみましょう。

 

 

 ■開業資金について考えてみよう

 

開業時は、事業計画で作成した毎月の安定した利益にもっていくまでに、

・必要な備品購入

・店舗内装などの設備購入 

 >後述する「・店舗について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

・在庫として最低限必要な消耗品の購入

・ホームページ制作代

 >後述する「・集客について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

・周知するための広告費

 >後述する「・集客について考えてみよう」を読まれてから戻ってくるとイメージしやすいです。

・安定してお客様が来るまでの毎月の固定費を補うための運転資金

など、大きい資金が必要になります。

開業するときに必要なものを考え合計金額を出してみましょう。

設備関係は見積りを取ってみましょう。(創業融資を受ける際にも必要になります)

捻出方法は大きく分けて2つです。

・自己資金:ご自身の貯金です

・融資:お金を銀行から借ります

 

・自己資金について

自己資金は、創業融資を受けるためにも開業資金の全体の3割程度用意したいところです。

 

・融資について

開業するときはお金を借りることについて不安もあるかと思います。

作成した事業計画でしっかりと利益が出ていればあまり不安になることはありません。

自己資金で設備資金や運転資金が賄えるからといって、融資を全く受けないことはおすすめしません。

その理由など融資に対する考え方はこちらの記事をご覧ください。

>開業資金、創業融資、お金を借りるときに考えること

 

開業時の資金は創業融資として日本政策金融公庫で借入をすることをおすすめします。

みなさんがよくご存じな民間の銀行ですと、創業時の融資は事業が回っていない状態での融資になるため回収可能かどうかの判断が難しくハードルが高めになります。

そういう部分を補うために、政府系の金融機関である日本政策金融公庫が存在しています。

かといって日本政策金融公庫が何でもかんでもお金を貸してくれるわけではありません。

回収可能かどうかはしっかり判断されます。

ですので、融資を受けるためにも初めに作成した、事業計画が大切になります。

事業計画がないと回収可能かどうかわかりません。

創業融資を申し込む際の日本政策金融公庫の書類の中にも、「創業計画書」というものがあります。

イメージは初めに作成した事業計画と同じです。創業計画書で回収可能かどうかや、実現可能かどうかなどしっかり判断されます。

 

日本政策金融公庫申込時に必要な資料

 

・申込書

・創業計画書

・企業概要書

日本政策金融公庫ホームページからダウンロードできます。

 

書き方が不安な場合は、日本政策金融公庫のエリア担当の支店の国民生活事業に相談してみましょう。

創業融資は国民生活事業が担当しています。

>当事務所も事業計画作成の支援や創業融資の支援を行っております。

 

税金や公共料金、クレジットカードなどの滞納がある場合、回収できる信頼が低いと判断され、その時点で融資を受けられない可能性があります。

思い当たることがある方はCICで一度自分の信用情報を調べてみましょう。

 

 

 ■店舗について考えてみよう

 

開業するお店の店舗を探す必要があります。

 

・建てる(開業時の必要資金:大)

一から建築すればすべてを自由に決められるため、コンセプトに沿った店舗設計が可能になります。

場所や広さも選べる幅が広がるため、メリットも多いです。

しかし、土地も必要なうえ、建築となると開業時の必要資金はかなり大きくなるでしょう。

完成までの時間もかかります。

 

・スケルトンなど美容室OKのテナント物件を探し、内装を自由に行う(開業時の必要資金:中)

開業時に多いパターンだと思います。

店舗の外観はある程度決まってしまいますが、内装や設備はある程度自由に考えることができます。

テナント物件は数がそれなりにあるので、開業時の必要資金も現実的で、物件も見つけやすいと思います。

 

・居抜き物件を探す(開業時の必要資金:小)

もともと美容室だったところを借りるパターンです。

内装や設備がある程度整っているため、開業時の必要資金は少なくなります。

ある程度設備の配置が決まってしまっているため、好きなようにできないデメリットはあります。

また、居抜き物件自体がそれほど多くないので、見つからない可能性もあります。

壁紙張替えや設備の入れ替えなどで、ある程度コンセプトに沿った雰囲気づくりは可能でしょう。

どこまでいじれるのか契約時に確認しましょう。

 

【物件を選択する際に考えるべきこと】

・広さ

広さで売上の限界が決まってしまいます。

将来どのぐらいの規模までもっていきたいのか考えつつ、椅子の数など意識しながら、広さを決めましょう。

もちろん広ければ家賃など経費が大きくなり、最大の規模に満たない経営を行っているときは苦しくなります。

保健所の許可を受ける際に、床面積の要件がありますので、そちらも注意しましょう。

地方であれば駐車場の台数も確認しましょう。

 

・場所

お客様が消費者ですので、場所も重要になります。

車や人通りが多い場所であれば、店舗を構えているだけで広告効果が生まれます。

アクセスの良さもお客様が選ぶ基準に影響するでしょう。

 

・導線

内装工事を行う際などは、実際に営業をして作業をした時の導線をイメージして考えましょう。

水回りは一度工事してしまうと変更が難しくなります。

何度もシミュレーションを行い、効率的な導線を考えましょう。

 

・家賃や内装工事などの金額判断

初めての開業になると、物件を契約したり、内装工事を依頼したりすることは初めての経験になると思います。

初めてのことですとなかなか相場の感覚がわかりません。

いろいろな物件を内見したり、内装工事も複数の業者に見積りをお願いするなどして、相場観を把握したうえで金額の判断をするようにしましょう。

 

 

 ■集客について考えてみよう

 

集客の方法についてもある程度考えておきましょう。

一般的な集客方法をご紹介します。

 

・アナログ媒体

新聞折込

ポスティング

地元のフリーペーパー など

開業時に対応エリアに周知させるのに効果的です。

ラクスルなどでポスティングなどの代行サービスもありますので、活用してみてください。

 

・デジタル媒体

ホームページ

作っただけで集客にはつながりにくいですが、お店を知ったときにホームページを検索することを考えると今はなくてはならないものでしょう。

「エリア+美容室」での検索上位が狙えれば、ホームページを見て来店してくれる方が出てくる可能性もあります。

また、商品紹介や料金、雰囲気などを事前に伝えることができます。

集客だけでなく、ホームページは採用でも使えるものになりますので作成しましょう。

今はご自身で簡単に作れるツールも数多くありますので、そういったものを利用してもいいと思います。

作成する力がなければ、思い切って業者にお願いしましょう。

スマートフォン用の表示対応はさせましょう。

 

ホットペッパーなどの美容室検索ポータルサイトへの掲載

利用する方が美容室を探す際に使う検索サイトがあると思います。

お客様の入り口がそこなのであれば、そのサイトへ掲載がされていないと来店の機会を逃してしまうかもしれません。

クーポンなどのイベントも集客や、リピートに効果的です。

しかし売上は下がってしまうので、売上減少分を広告費と考えて検討しましょう。

 

SNS活用

TwitterFacebookInstagramなどのSNSの活用です。

定期的に投稿を行ったり、投稿を広告することで、認知される可能性を上げたり、ヘアーセットの事例写真などの投稿を行えばこだわりを伝えることもできます。

広告はエリアなどターゲットをある程度絞って行うことが可能ですので、認知機会を増やすためにも活用してみましょう。

 

googleマイビジネス登録

googleマイビジネスへ登録を行えば、google検索での「エリア+美容室」で上位が狙える可能性があります。

googleマイビジネスの登録情報は通常のホームページの検索結果よりも上に表示されるため、検索での認知確率を上げることができます。

店舗の写真や、イベント投稿なども行えますので、定期的に運用してターゲットに知ってもらう確率を上げましょう。

登録は無料ですので登録して運用してみましょう。

 

 

 ■許認可が必要か考えてみよう

 

業種によっては営業を行うのに許可が必要な場合があります。

美容室の場合は

・美容師免許

・管理美容師の資格(従業員を雇う場合)

・保健所からの営業許可

が必要になります。

 

 

 ■損害保険について考えてみよう

 

事業は何が起こるかわかりません。

お客様にケガを負わせてしまって、損害賠償を請求されるかもしれません。

店舗が火事になって店舗を失うかもしれません。

そのような大きな損害が生じる可能性がある事態に備えて損害保険の加入を検討しましょう。

 

 

 ■業務の仕組みについて考えてみよう

 

店舗ができ、実際営業を開始すると様々な作業が発生します。

毎日の業務が効率的に回るように事前にルール作りを行っておきましょう。

 

・レジや現金の運用ルール

レジはAirレジなどのクラウド系POSレジをおすすめします。

導入コストも安く、会計ソフトとの連携も可能、売上の分析を行うことも可能です。

キャッシュレス決済の導入も簡単です。

・予約方法

予約ルートが複数ある場合はバッティングしないような工夫が必要になります。

・カット、カラー、パーマ、シャンプーなどの各業務の標準的な流れの作成

・電話応対、接客のルール など

 

業務ルールは運用してみて問題点が出てくることもあります。

出てきた都度、改善点を考えルールに反映していきましょう。

規模が大きくなってからルールを固めるのは大変ですので、規模が小さいうちに後回しにせず、ルールを固めておきましょう。

 

 

 ■税金関係ついて考えてみよう

 

開業をすると給料をもらっていた時と違い、自分自身で儲けの計算を行い、その儲けをベースに税金の計算を行う必要があります。

これを確定申告といいます。

個人事業であれば、11日~1231日までの利益とそれに対応する税金を計算して、翌年の216日から315日までの間に税務署に計算した確定申告書を提出、納税を行います。

規模によっては消費税の申告も必要になる場合があります。

開業時に税務署に出しておかないと損をしてしまうものもありますので、最低限次の届出は税務署に提出しておきましょう。

※個人事業として始めた場合のご紹介をします。

・個人事業の開業届出書(事業を始めたことを税務署に知らせる書類です)

・所得税の青色申告承認申請書(税金計算をちゃんと行いますと宣言するような書類です。この書類を出し、税金計算をするときの帳簿をしっかりとつけることで税金計算上のさまざまな特典を受けることができます。提出期限がありますので、開業から2か月以内に出しましょう。)

 

従業員を雇う場合は次の届出も一緒に提出しておきましょう。

・給与支払事務所等の開設届出書(給与を支払い始めますというのを税務署に伝える書類になります)

・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(従業員に支払う給料から預かった税金を、本来であれば毎月税務署に納めるところを「半年に一度まとめて納めます」という申請書になります)

 

親族に手伝ってもらい給料を支払う場合は次の届出も提出しましょう。

・青色事業専従者給与に関する届出(この届出の提出がないと親族に支払った給料が経費にならない場合があります)

 

 

 ■人を雇う場合について考えてみよう

 

開業時点で雇うことが決まっている方がいる場合は、労務関係の手続きも忘れないようにしましょう。

主要な部分をご紹介します。

 

雇用時

・労働条件通知書、雇用契約書の作成(賃金や勤務時間などの条件を決め、条件の通知、契約を行います)

・給与所得者の扶養控除等申告書の作成(従業員の給料から預かる所得税の金額を低くする書類になります)

 

労務関係手続き

・雇用保険、労災保険の加入手続き

・社会保険の加入手続き

加入要件に該当する場合は加入が必要ですので、確認しましょう。

 

給与計算の準備

給与計算は、賃金計算のルールと出勤状況(勤怠)をベースに計算を行います。

基本は月に一度支給しますので、月の締め日(勤怠の締め)と支払日を決めましょう。

締め日と支払日の間が短いと人数が増えたときに給与計算が大変になりますので少し余裕を持たせましょう。

勤怠情報をスマートフォン打刻やICカード打刻で直接デジタルデータにでき、その情報と連動できる給与計算ソフトを使用されることをおすすめします。

デジタルの勤怠データをベースに賃金計算ルールを設定すれば、自動で給与計算を行うことが可能です。

給与計算作業は、支給額の計算、控除すべき税金や社会保険の計算があり複雑な業務ですので、自動で計算してくれるツールに頼りましょう。

>当事務所おすすめの給与計算ソフト「人事労務freee

 

他にも有給管理など、人を雇うと行わないといけない業務があります。

 

スタッフを募集したい場合

新たにスタッフを雇う場合は、求人を出し応募してもらい採用をする流れが必要になります。

無料でインターネット求人を出せるものをご紹介します。

・ハローワークインターネットサービス:インターネットで求人を出す前にハローワークで登録手続きが必要です。

engage:indeedなどを中心にさまざまなインターネット求人検索サイトに自動掲載してくれます。

 

 

 ■日々の会計業務について考えてみよう

 

後回しになりがちなのがこの会計業務です。

強い会社はここを後回しにしません。

事業を継続するためには利益が必要です。

利益を知るには会計業務が必要になります。

日々の帳簿記帳などの会計業務をしっかり行い、毎月の正しい利益を把握できる状況を作り出すことで、赤字が発生したときに素早く改善する行動を考えることができます。

事業計画との比較を行えばどこに問題があるのか会計面から見つけることができます。

この把握が年に一度確定申告を行うときだけだとどうでしょうか?

赤字が膨らみ続け、下手すると取り返しのつかない状況になっているかもしれません。

融資を受ける際にも決算書や途中の利益をまとめた試算表などの会計資料が必要になります。

いつでも素早く融資を受けられる状況を作り出しておくことは、いつ何が起こるかわからない経営を継続する上でも重要なことです。

お金があれば会社は潰れません。

 

日々の会計業務の具体的な内容をご紹介します。

・請求書発行

美容室ですと、その場でお客様から料金をいただくためこの作業は基本的に不要です。

 

・受領請求書の支払

消耗品などを月締めで購入して、請求書で支払うパターンです。

毎月支払う日を決めておくと、まとめて支払えるので楽です。

支払期限を確認して決めましょう。

支払い終わった請求書には「支払済み」と記入するなど、支払ったことがわかるようにしておきましょう。

 

・事業用通帳、事業用クレジットカードの作成

個人事業の場合、プライベートの通帳と事業用の通帳は分けて作成するようにしましょう。

経費支払で使用するクレジットカードもプライベートと分け事業のクレジットカードを作成しましょう。

プライベートと一緒くたになってしまうと、会計ソフトへ入力するときに大変ですし、残高の把握など管理しにくくなります。

 

・現金管理

レジに入る現金の流れは管理しやすいように一方通行にしましょう。

現金受領>レジ>通帳 の一方通行です。

レジの中のお金を取って経費の支払いに充てることはやめましょう。

経費は事業用の通帳から引き出し、経費用のお財布としてレジの現金とは別で管理するようにしましょう。

 

・領収書など資料整理

経費の現金領収書や請求書、クレジットカードを利用した領収書は、それぞれ分けて、月別に整理しておきましょう。

領収書を用紙に張り付ける必要はありません。無駄な作業なのでやめましょう。

 

・会計ソフトへの記帳作業

利益を把握し、税金の計算を行うには、会計ソフトにお金の動きなどを記録して集計してもらう必要があります。

日々のお金の動きなどを会計ソフトに入力することになります。

以前は、通帳や領収書など、一つずつ入力する必要がありました。

今はインターネットバンキングの通帳情報やクレジットカードのweb明細、クラウドPOSレジのレジデータと会計ソフトがつながり、しっかり設定を行えば、入力を自動化できるツールがあります。

できるだけ事務作業の手間をなくし、本業に専念できる環境を整えましょう。

>当事務所おすすめの会計ソフト「会計freee

>当事務所が会計freeeをおすすめする理由に関するコラムはこちら

クラウド会計ソフトfreee(フリー)をおすすめする理由

 

 

まとめ


 

美容室の開業について、考えるべきことを網羅的にまとめました。

開業後も役立つ部分があるかと思いますので、是非参考になさってください。

会計や税務、労務関係は難しい部分があり、様々な面で損をし、リスクを背負ってしまう可能性もありますので事業をある程度大きくされたいのであれば早めに専門家に頼ることをおすすめします。

 

 

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